守山菜穂子 | Mint Days

ブランドコンサルタント 守山菜穂子のブログです。

ユニバーサルデザインセミナー@日本ショッピングセンター協会(2016-02-22)

「一般社団法人 日本ショッピングセンター協会」。

全国のショッピングセンター、駅ビルなどの運営社が加盟する
業界団体です。

こちらで、先日2月22日、協会初となる
ユニバーサルデザイン(UD)関連のセミナーが行われました。

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左:イオンモール(株)開発本部 建設企画統括部 担当部長
 橋本吉弘さん。
中央:UD講師、ファシリテーターとして。守山菜穂子。
右:(株)京王プラザホテル 営業戦略室顧客開発 支配人
 エコロジー&バリアフリープロジェクト「Bird’s Eye」事務局
 城所明未さん。

 

参加者は、ショッピングモールの運営社、
公共事業の委託事業者、
ショッピングモールの設計を多数手がけている内装会社、
イベント会社など
全国からお集まりいただきました。

今回の受講者さんは、
UDについて講習を受けたり、勉強するのが「全く初めて」
という方が、9割近く。

日本のショッピングセンターが、ここから少しづつ変わっていくかもしれない……
そんな萌芽を感じ、本当に嬉しく思いました。


全体の内容は、以下の通り。

第1単元:守山菜穂子より講演
「誰もが使いやすく楽しめるお店づくりで、地域一番店になる!」

・障がいのある女性のためのフリーペーパー「Co-CoLife女子部」の紹介
・ユニバーサルデザインとは何か? バリアフリーとどう違うの?
・2016年4月に施行される「障害者差別解消法」の解説
・2020年8月 東京パラリンピック
・福祉業界は伸び市場であること
・今、福祉がカッコイイ! 新しい解決法を示している若い世代や、
 企業からの投資が増えていること
・高齢社会、それ以外にも、障がい者、外国人、LGBTなど、
 多様性のある人を受け入れる社会に向かっていること
・名指しで選ばれる店になることの重要性(ブランディング効果)
・福祉に取り組むと、売り上げUPの可能性が高いこと
・ショッピングセンターを運営する事業者は、何から始めたら良いのか?
・具体的に、店舗や商品のUD検証をするにはどうしたら良いのか?

 

この日は、
「病気や障がい当事者の、家族であり友人」
「専門誌の編集者」
「ブランドコンサルタント」という3つの立場から、
ユニバーサルデザインについて持論を展開させていただきました。

というのも、
単に「親切」とか、
「法律があるからやらなくちゃ」
「競合もやってるからやらなくちゃ」というレベルで
UDに取り組んで行くと、すぐに行き詰まると思うのですね。

収益化する、名指しで選ばれる店になるにはどうしたら良いのか?
楽しみながら、事業戦略としてUDを考えるには、どうしたらいいか?
こんなことに重点を置いて、説明させていただきました。

ショッピングセンターに関わる方は、基本的に
「おもてなしの心」が深く備わった方々なのだと思います。
お客様のために、より使いやすい店、愛される店を作りたい。
そのためにどうしたらいいか? を、真剣に考える
受講者さんの姿勢に、私も心を打たれました。

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第2単元(前半):
イオンモール 橋本さまより講演
『イオンモールのユニバーサルデザイン 取り組み事例』

・グループの事業展開について
・イオンモールのユニバーサルデザイン、20年の歩み
・社内の取り組み体制
・全国のイオンモールの、具体的な設計ポイント
・施工の際に、大学の研究室や、当事者団体からのチェックを
 いただいている、その手法
・館内サイン計画、エレベーター、エスカレーター、トイレ、
 インフォメーションカウンター、駐車場など各所でのポイント
・インバウンド対策 外国人対応
・ユニバーサルデザインを「スパイラルアップ」させて行く
 という考え方

第2単元(後半):
京王プラザホテル 城所さまより講演

・ホテルのユニバーサルサービスの考え方
・ハード面とソフト面、双方の充実
・ユニバーサルルームの解説
・障がいがある方の予約を取る時の工夫
・補助犬専用トイレ
・宴会場での、補聴器用レシーバー設置
・赤ちゃん連れ、障がいのある方向けウエディングプラン
・2013年「障害者スポーツ大会」オフィシャルホテルとして
 約500名の障がいのある方&関係者を同時受け入れした際の事例
・従業員教育
・サービス介助士資格
・ユニバーサルマナー検定取得
・社内マニュアル作りの方法

 

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第3単元:
パネルディスカッション
「2020年に向け、ショッピングセンターのユニバーサルデザインの考え方」

・イオンモール 橋本さま、京王プラザホテル 城所さまを交え
 3名でのパネルディスカッション(ファシリテーター:守山菜穂子)
・質疑応答
・グループワーク

 

終了後、いただいた感想は、下記のようなものでした。

今までユニバーサルデザインについて全く考えたことがなかったので、本当に良い機会になった。びっくりした。急いで自社のUDを見直します。

障害者差別解消法、全く知らなかった。実は、うちは今、こんな感じの運用をしているのですが、これはまずいでしょうか?(具体的な相談)お客様に納得いただけるにはどうしたらいいでしょうか?

ショッピングセンターの運営に多数、関わっているのですが、知らないことばかりで驚いた。社内で情報を共有したい。

京王プラザホテルの、真心が込まったUDの取り組みには、本当に感動した。うちも縦割りから抜け出して、社として取り組みたい。社員教育に力を入れたい。

イオンモールさんの、国内最先端のサイン計画を見せていただき、本当に勉強になった。すぐに自社でも取り入れていきたいと思います。

新しい発見をすると、人の顔が「パッ!」と輝くんですよね。
そんな時間が私は大好き。
受講者の皆さんの顔が、あちらこちらで、静かにキラキラと輝いている。
清々しい喜びを感じたセミナーでした。

最後になりますが、
本企画の種を私の中から見つけていただき、
SC協会様へ提案。
そこから1年半にわたり、企画と運営のご支援をいただいた
研修会社 Brew(株)セミナープロデューサー 原佳弘さん
また、初企画というチャレンジを決断し、応援してくださった
一般社団法人 日本ショッピングセンター協会 教育研修部の皆様に
心からお礼を申し上げます。

いろんなコたちが、もっと気軽にお出かけできる
優しい社会になりますように。

 

本セミナー開催の「思い」はこちら

 

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