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守山菜穂子 | Mint Days

ブランドコンサルタント 守山菜穂子のブログです。

話題の新スポット「東急プラザ銀座」を彩る、障がい者アート

アート&デザイン ユニバーサルデザイン 社会貢献 雑誌 建築・インテリア ファッション Co-CoLife女子部

2016年3月31日。
話題のスポット「東急プラザ銀座(東京・銀座)」
のオープンに先駆けて
マスコミ向け内覧会にお邪魔させていただきました。

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エッジイで都会的な感じが好み。設計は「日建設計」によるもの。

 

アパレル、日本初上陸のレストラン、ロッテ免税店(DFS)、
「江戸切子」をイメージした建築など、
マスコミ各社が注目する点は数あれど、
私たちのお目当ては、内装に使われた「障がい者アート」。

東急百貨店が初めて手がける自主セレクトショップ
「HINKA RINKA(ヒンカ リンカ)」内の3フロアに、
身体障がい、精神障がいなど、
さまざまな障がいのあるアーティストの作品が
大きく使われているのです。

本企画は、
障がい者アート支援団体「パラリンアート(東京・港区)」
「東急百貨店」コラボ企画

今回は先行取材だったため、
東急百貨店の内装担当者に取材させていただくことができました。

「銀座の一等地、大型施設ということで
 東急さんとしても肝入りの施設ですよね。
 この場所で、障がい者アートをこんなに大きく採用できたのは
 なぜですか?」

と質問したところ、

「純粋に、とにかく作品が良かったから採用したんです。」

……非常にシンプルな答えが返ってきました。

担当者が、パラリンアート所属作家の
作品に出会う機会があり、
「これを、ちょうど設計中の『東急プラザ銀座』の内装に使ってみようか!」
という流れでコラボが決まったそうです。

担当作家が決まってからは、内装のデザイナーと
何度も何度も打ち合わせをして
床のデザイン、周囲のデザインに作品が合うよう
しかし作家の個性を殺さないよう
綿密にテーマが決め込まれて行きました。

障がい当事者の作家さんが、2週間近く、オープン前の館内に
缶詰めになって、
自分の身長の倍以上もあるような、大きな作品を完成させる。
創作の苦労以外にも、いろいろなドラマがあったことと思います。

 

さて、ここからはパラリンアートの方に解説をいただきながら
「HINKA RINKA」内3フロアの作品巡り。

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京都出身の24歳、城岸美稀(じょうがん・みき)さんの作品。
絵画は独学とのことですが、
グレーと黒のバランス、センスいい。

自宅と会場で、大きなパネルに絵を直筆して、
それをカウンターに貼り込んで行ったそう。

スローペースな彼女が、
こんなに大きな絵を描いたなんて……。
私は作家ご本人を存じ上げているので、胸がいっぱいになってしまいました。

しかも、「ディオール」コスメ売り場の隣!
一等地です。すごい。

 

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商品の販売台に、アクリル絵の具で直接、描かれた
鮮やかな花は「椿(つばき)」。
絵の具、もりもりです。迫力〜!

 

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思わず「わあっ!」と声を上げてしまいました。
斜めの柱と、江戸切子をモチーフにしたガラス窓、
そこによく合う、気高き、百合(ゆり)の花。

この女性アーティストは、障がいにより手が震えるそうで
その震えを生かして、花びらの線を描いているんだとか。
高さ1m以上もある大きな台に載って、
震える手でこの柱に絵を描いたそうです。
感動する。

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「ロンド(輪舞曲)」とは、踊り手がまるい輪をつくって
踊ること、また舞踏歌。
床のデザインを伴奏に、百合たちが踊っているような素敵な絵です。
私は、このキクチユミさんの作品が
とても気に入りました。

 

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この方の作品も、個人的にものすごく好みでした。
緻密なボールペン画を拡大し、タイルに焼いてあります。
精神障がいのアーティストだそう。
モノクロだけど、すごい熱量!

このフロアは、植物がそこかしこに、たっぷり飾られた
アーバンリゾートな雰囲気のデザイン。
「動物や植物の絵を描いてください」というオーダーがあり
鳥、ゾウ、熱帯植物などを描きまくった浅野春香さん。

ところが、1点だけ……

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おじさんが紛れています。

「なんで、おじさんがいるの?」

担当者が質問したところ、

「好きなものを描いてくださいと言われたので…
いつの間にかお父さんを描いてしまっていた」

とのこと。
よく見ると、鼻毛が出てるんですけどね(笑)
彼女なりの愛情表現なんでしょうねー。

本来は「動植物」のイラストで埋めつくされる予定でしたが、
担当者がこのお父さんエピソードを気に入って
1点だけ残したそうです。

写真ピンボケでした、すみません。
気になった方が、ぜひ現地に……お父さんの鼻毛を確認しにGO!

どの広報資料にも載っていない、マル秘エピソードです。

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これらの作品群、個性の輝き。
正直な所、どのハイブランドの広告ビジュアルより
有名アーティストの凝ったオブジェよりも
私には、パワフルに見えました。

 

一緒に取材に行った、山野 藍さんによる記事が
障がいのある女性のためのフリーペーパー「Co-Co Life女子部」
サイトにも掲載されています。

言語聴覚士であり、障がい当事者でもある藍さんによる
ユニバーサルデザイン目線。
子連れのお母さんや、高齢の両親を連れて遊びに行きたい
という方にも、きっと役に立つ記事です。
他の作品の写真も多数掲載しています。

 

あれだけ報道された「東急プラザ銀座」オープンですが
どこのマスコミも横並びで、
レストラン、DFS、物販の話ばかり。

今回は「Co-Co Life女子部」の視点が一番面白かったんじゃないかな?
と、割と本気で思ってます。 

  

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