守山菜穂子 | Mint Days

ブランドコンサルタント 守山菜穂子のブログです。

経営者・クリエイターが、初めて取材を受ける時に気をつけたいこと

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ブランドコンサルタントの守山菜穂子です。

ブランディング・広報に関するご支援をしている中で、
「プレスリリースを出したら、メディアの取材が決まった!」
というお知らせが増えてきました。

 

家でじっと待っていても、
マスコミはあなたのことを見つけられません。
だから、まず、プレスリリースを発行する必要があります。

プレスリリースの作り方について知りたい方はこちら:

www.street-academy.com

 

この講座に参加いただいた方や、コンサル先の企業様から
「プレスリリースを出したら、メディアの取材が決まった!」
というお知らせをいただき、喜ぶ日々です。

メディア(マス媒体)とは、
新聞、雑誌、テレビ番組、ラジオ番組、ネットメディアなど
さまざま。
最近はインターネットの動画メディアも増えて来ました。

「取材が決まった」というお知らせは、
私にとっても大変嬉しいこと。
お手伝いしているその会社、商品、または経営者、クリエイターの
「ブランド力」が社会に認められ始めた、
発信力が増してきた、
ということですから。

そこで「取材の際にどんなことに注意したら良いか
アドバイスをください」とよく尋ねられるので、
記事にまとめてました。

 

私は社会に出てから約20年間、
広告・メディア業界に身を置いてきたので
仕事で、たくさんの方の、取材・インタビューをしてきました。

自分で取材して記事まで書く、
インタビュアーだけ務めて記事は別の人が書く、
人が取材するのを横で見ている、
いずれの経験も多数あります。
イベントで、お客様がいる前で公開インタビュアーをしたこともあります。

また、私自身も独立してから、取材対象として
メディアの取材を受けることが増えました。

最近では、キャスティングの仕事で、
メディアに出たい人と、取材できる人を探しているメディア側の
コーディネート、橋渡しをするような仕事も
増えています。

取材する側と、される側。
この両方の視点から、
経営者・クリエイターの方が
「初めて取材を受ける際に、特に気をつけておきたいこと5つ」を、
ピックアップしました。 


1, そのメディアについて、まず自分で調べておく

どんな人のためのメディアなのか、
読者や視聴者のターゲット層、
年齢や職業、興味関心の方向など
メディアのコンセプトを知っておくことが重要です。

取材依頼をして来た記者やディレクターに
直接お尋ねしてもいいですし、
メディアのホームページなどにも、たいてい載っていると思います。

そのメディアに載っている記事は、何本か読んでおく。
雑誌や新聞の場合は購入して読んでみる。
番組なら、録画して、何回分かを見ておくことも大切です。

なお、テレビやラジオ番組の場合、タイミングによっては
録画できないことがあると思いますが
ディレクターさんにお願いすると「同録(どうろく=同時録音・録画の略)という
オンエアを録画・録音したもの、DVDやデータなどを
送ってもらうことができます。
「出演前にぜひ観て(聴いて)おきたいので…」と頼んでみましょう。

また、最近はタイムフリー機能のインターネット番組などで
視聴することもできます。

 

記者は、あなたのことを調べ、ホームページを見て、
ブログなども読み込んでから取材に来ることと思いますので
こちらも対等な立場で、
相手のことを知る努力をしてから伺うのが、礼儀です。

取材担当者にお会いした時に
「先日の番組の、あのコーナー、すごく面白かったです」
「例の記事、読みました」などと
積極的にお話しができれば、初対面の場も和らぎます。

また、自分がメディアの中にどのように登場するのか
イメージするためのトレーニングにもなります。


2, 先に取材項目をもらう

事前に取材項目をいただいておきましょう。
記者、ディレクターなど取材のアポを入れてきた方に
「事前に取材項目をいただけますか」と頼みましょう。

何を聞かれるのかが分かっていれば、
頭の中で取材のイメトレをすることができます。

また、事業に関わる数字や、歴史、開始年など
数字類は、正確なものを準備しておくことができるので
安心して話ができます。

 

質問は、ほとんどが自分の事業に関わることなので
「すぐに答えられるよ〜」とおっしゃる方も多いと思いますが
たとえば急に「何年間で売り上げが何倍になったのですか?」などと聞かれて
パッと答えられるわけでもないですよね。

重要な人名などが、とっさに出てこないこともあります。

 

先方の記者さんに「質問項目をください」と言うのは
全く失礼なことではなく、
むしろ「今回の取材に、真剣に向き合ってくれているんだな」と
感じると思います。


3, 「I(アイ)メッセージ」で話す

例えば、自分が所属する業界の現状について
意見を求められた時。

「**業界は今、かなり厳しい時代です。
 だから○○というサービスを立ち上げたんです」

こう答えた場合と、

「**業界は今、かなり厳しい時代だと
 私は感じています。
 だから私は○○というサービスを立ち上げたんです」

こう答えた場合、印象が違いますよね。

 

後者が「I(アイ)メッセージ」という話し方で、
自分を主語に置いて話すというものです。
ちょっと英語っぽい話し方、といいましょうか。

日本語は、主語を省略しても通じてしまう言語なので
わざわざ主語を強調するのは、一見なじまないかもしれません。

しかし、これが取材ではとても重要なのです。

 

後者は、自分が感じる焦燥感や、危機感がよく表現され
「業界の状況に通じており、問題意識が高い人」という
印象を周囲に与えます。

たとえ、どれだけ大胆で辛辣(しんらつ)なことを話しても
「I(アイ)メッセージ」なら大丈夫です。

それに対して前者は、
業界全体を、一般論としてただ批判してしまっています。
こんな記事がメディアに出たら、あなたは業界から
総スカンをくってしまうでしょう。

 

「I(アイ)メッセージ」は、
誰も傷つけることなく、自分の意思を伝えられる
表現方法です。
日頃からこのような表現を心がけると、
いざ取材というやや緊張する場でも、うまく発言できます。

私も日頃から「I(アイ)メッセージ」で話すように心がけています。


4, 服装は華やかに!

お次はビジュアルです。
テレビ、雑誌、WEBメディアなど
カラー(色)を大切にするメディアの場合は、
なるべく、明るく鮮やかな色の服装を心がけましょう。

とくに顔周り、胸元、腰から上の「上半身」が重視されます。

 

間違っても、黒やベージュのニットなどは
着ていかないことです。

本人はシックに決めていたつもりでも、メディアに載った時に
たいへん暗く、貧相に見えます。

 

男性のダークスーツの場合は、いつもより派手目の、
綺麗な色のネクタイで。
ポケットチーフを入れると顔周りが華やかになるので
おすすめです。

男性のジャケットスタイルの場合は、
ピンクやブルーなど綺麗な色のシャツに、
やはりポケットチーフがオススメ。

シャツ単体の場合も、やはり綺麗な色ものが必須です。

 

TシャツはNG。Tシャツというのは、
もともと下着だったものが、カジュアル化の世の中で
「外着」に進化したものです。

20代のバンドマンや、スポーツ選手ならともかく
大人のビジネスパーソンが人前に出るのに
ふさわしい格式の服装では、決してありません。
襟付きの服を着ましょう。

 

女性は、大ぶりのネックレスや、イヤリング・ピアスなどで
顔まわりを彩りましょう。

メイクも、いつもより派手目にしてOKです。
結婚式に出るぐらいの「本気メイク」でお願いします。

自分で「派手かな?」と思うぐらいで
メディアに登場したときはちょうど良いのです。

 

テレビに出ているタレントさんや、モデルさん、芸人さんは
と〜〜っても派手な服装をしていますね。
「文化人」枠や、アナウンサーの方も、
実はかなり派手な服装をしていますよ。
改めて良く見てみてください。

紙面や番組で、コーナーこそ違えど
同じステージに並ぶわけですから、
一般人がどれほど「派手め」に装っても、決して悪目立ちなどしません。
それでちょうど良いのです。

シャツやブラウスに、汗ジミやシワがないかも
気をつけましょう。
撮影用に服を持って行き、現地で着替えるのもOKです。

 

男女に関わらず、事前に時間があれば
美容院に立ち寄って、ヘアメイクをしてもらうのも
いいと思います。
美容師さんに「こういうメディアの取材があるので」と伝えましょう。
たいていの美容院でメイクのサービスがあります。
女性はもちろん、男性も肌を整えてもらい、
髪をカッコ良くキメてもらうだけで、気分がアガります。
自分の姿に自信が持てれば、受け答え、会話に
集中することができます。

 

なお、新聞だけはモノクロページの可能性が高いので
モノクロになった時を考えて、服を選びましょう。
「赤い服を選んで行ったのに、紙面に載ったら濃いめのグレーになってしまった」
ということがないように。

モノクロームの写真でもわかりやすいよう、服の形を意識して
選ぶと良いと思います。

新聞の場合は、記者さんに、モノクロか、カラーかを先に聞いておきましょう。


「今回、自分はラジオに出るから、服は関係ない」?
いえいえ。最近はラジオ+SNSが一般的なので
スタジオに入るなり、写真を撮られることもしばしば。

メディアに出る際は、いつでも、どこから撮られてもOKの
隙のない服装を心がけましょう。
自分を綺麗なパッケージデザインで包む。
これが、多くの方に思いを伝える仕事をする人の礼儀です。 

 

5, 音声は録音しておく

これ、メディア業界の人(取材者)は
ちょっと「ムッ」と思うかもしれません。

私は、自分の取材をいただく時には、
スマホで会話を録音させていただくことにしています。
経営者にも推奨しています。

理由は以下の3つ。
①あとで聞き直して、ひとり反省会を開き、
 自分のメディア対応のトレーニングにする

②万が一 、記事でこちらの意図と違う表現が上がって来た時に
 録音を聞き直して、表現を確認することができる

③取材内容を「テープ起こし」して、文字化しておき
 後で部分をブログなどに使う

 

うまく取材を受けられるようになるには
場数や回数がものをいいますが
そうそう、なんども取材を受けられる訳でもありません。

ですから、自分の音声を聞き直す①の使い方は重視しています。

次の取材が来た時に、後悔がないようにしたい、
と、思うのです。

②は念のため。
私自身はそのようなシーンに出会ったことがありませんが
まれに「意図と全く違うことを書かれた」というような
憤りの話にも出くわします。

その際、「相手が全く違う解釈をした」と怒る前に
「もしかすると、自分がそのような表現をしたのかも」と
疑う視点も必要でしょう。

記者はプロですから、さすがに火のないところに煙を発生させるようなことは
しないだろう……と私は思うのですね。

取材対応に対して初心者の経営者・クリエイターは、
「何か、自分が曖昧な表現をしていたのではないか」
「そう書かれても仕方ない事実があったのではないか」
と、まず自分を疑ってみることをオススメします。

音源を冷静に聞き直した上で、「やはり違う」ということであれば
堂々と交渉しましょう。
取材された側には肖像権がありますので、交渉が可能です。

③は、音声からテキスト化しておき、それをベースに書くと
効率がとても良いので、よくやっています。
私の経験では、だいたい30分の会話を文字化すると
10,000字ぐらいになります。
ブログだけでなく、書籍を書きたい方にも
この方法はオススメします。

テープ起こしは、その道のプロに頼むことにしています。

 

なお、無許可で会話を録音するのは、マナー違反です。
記者の方が「録音していいですか?」とスマホやレコーダーを机に置いた時、
「あ、自分も録音していいですか? 後で聞き返したいので」
と言って、自分のスマホ等を机上に並べて置くのがスマートです。

その際、当然ですが、マナーモードか、機内モードにして
着信音などが入らないようにしておきましょう。

 

以上、
経営者・クリエイターが、初めて取材を受ける時に気をつけたいこと5点は

1, そのメディアについて、まず自分で調べておく
2, 先に取材項目をもらう
3, 「I(アイ)メッセージ」で話す
4, 服装は華やかに!
5, 音声は録音しておく

でした。

 

まだまだ、世の中に知られていない、面白い商品・サービスを生み出している経営者や
素晴らしいクリエイターがたくさんいると感じています。
成し遂げたい思いがある経営者・クリエイターは
遠慮せず、メディアに対して積極的にアプローチしてくださいね。

 

もっとメディアに出たい!
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そう考えている人はこちらの講座もどうぞ。 

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追伸
トップの写真は、IKEA立川店の壁のディスプレイです。
ミント色の「?」にワクワクして、写真を撮りました。
いつかオフィスを大きくするときが来たら
全面を、こんな不思議な壁にしたいものです。

 

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