守山菜穂子 | Mint Days

ブランドコンサルタント 守山菜穂子のブログです。

「地域ブランド」をつくりたい人に。特許庁「地域団体商標ガイドブック2019」

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「地域ブランド」をつくる方には必携の
小冊子「地域団体商標ガイドブック」。
2019年度版が、特許庁から発行されました。

このガイドブックは、2008年から発行されており
特許庁が、PDF(デジタルコンテンツ)としても
無料配布しています。

私は、この存在は知っていて、
PDFでは見たことがあったのですが
「小冊子を希望すると無料で送ってくれる」ということで
今年、初めて申請してみました。

 

f:id:naoko-moriyama:20190330225913p:plain  地域団体商標のマーク

特許庁が2006年に創設した
「地域団体商標制度(ちいきだんたい・しょうひょう-せいど)」
地域の特産品などの商標、
つまり名前やロゴなどを
法律で保護する制度です。

 

特産品はたいてい「地域名」+「商品(サービス)名」
という名前をつけているため、
従来の商標法では
「商標としての識別力を有しない」
「特定の者の独占になじまない」
という理由により
商標登録を受けることができませんでした。

「商標としての識別力を有しない」…
はい、これはとても法律っぽい言葉ですね。
簡単に表現すると、
「そのブランドならではの固有のスペシャル感がないです」
という感じです。 

「特定の者の独占になじまない」は、
「地域名」+「商品(サービス)名」を使ってる人が
 他にもたくさんいるんじゃない?
 それ1団体が独占で商標登録できないよね?
という意味です。

(めちゃくちゃざっくりしてますが)

 

しかしながら、
地域は地域で、
特産品を、他の地域のものと差別化したい。

認知度を高めて、ブランド化したい。

そして模倣品(ニセモノ)対策も必要。

 

ということで、
地域ブランドのために開発された、特別な商標の制度が
「地域団体商標制度」なのです。

2006年に「商標法の一部を改正する法律」が施行され、
この制度がスタートしました。

 

さて、こちらの「地域団体商標ガイドブック2019」は
以下のような内容です。 

まず最初に、
世耕弘成(せこう・ひろなり)経済産業大臣による
ご挨拶。
地域ブランド、国もグイグイ推しますよ〜!
という太鼓判が押されております。
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「地域団体商標制度とは」なにか、の
わかりやすい解説。
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うまく行っているブランドの
「地域団体商標」の活用事例がいくつか。
売上アップ!とか書いてあります。 
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地域団体商標の取得方法や、
特許庁による、地域ブランドへの支援策いろいろ。

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そして、「地域団体商標」を登録している
全国645件をすべて網羅して掲載!
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この冊子を眺めていると、
日本の中に、こんなにたくさんの地域ブランドがあるんだな〜
と思います。

例えば!

私の出身の千葉県ですと
「八街産落花生(やちまた-さん・らっかせい)」。

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「千葉ピーナッツ」が有名かと思いましたが
県での登録はなく、
八街市(やちまた-し)が地域ブランド作りに熱心なようです。

 

「富里(とみさと)スイカ」。

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私は近隣の、千葉市と、四街道市で育っているので
富里スイカ、
もちろん知ってます。地元では鉄板ブランドです。

 

ここで……、滋賀県に
「モリヤマメロン」というのを発見!!

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滋賀県に守山市というところがあり、
その名産だそう。
知らなかった〜!
今年から弊社ギフトとして買い付け決定です!!

 

地元・千葉の
「習志野(ならしの)ソーセージ」。

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これも知らなかった!
今後、ぜひ試してみたいな。

 

また、「地域」感が薄いと思われる東京でも、
たくさんの地域団体商標があります。


料理好きにはおなじみ、
東京・台東区の「かっぱ橋道具街(かっぱ-ばし・どうぐがい)」。
街もブランド化できます。

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「江戸小紋(えど・こもん)」
「江戸更紗(えど・さらさ)」などの伝統工芸品。

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今年から登録された
新宿区の「内藤とうがらし」。

推してるNPO団体が台東区にあるのがちょっと不思議。

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そして今回、私は初めて知ったのですが
「地域団体商標」には、海外ブランドも登録できるんですね!
びっくり!

海外ブランドを、日本での浸透させたい方、
このやり方はアリですよ。

 

イタリア名産の「プロシュット」、
生ハムです。

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そして中国の「鎮江香醋(ちんこう・こうず)」
食酢だそうです。
645件中、海外ブランドはこちらの2件のみでした。

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地域いろいろ、
うど、せり、菜の花と
春の菜っ葉が並んでいて
美味しそうだなあ〜。などと
まるでグルメガイドブックを見る勢いで
眺めております。

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こんな風に、この1冊の中に
お米や穀物、野菜、くだもの、
お酒、工芸品、温泉、
お料理、サービスの提供など
幅広いジャンルの地域ブランドが掲載されています。

 

地域の振興に取り組んでいる方、
地域に密着してブランドづくりに取り組んでいる方には
とても使える資料かと思います。

一覧性がある
紙の冊子の請求、オススメです! 

冊子は無料で配布しております。ご希望の方は
末尾のお問い合わせ先か、
お近くの経済産業局知的財産室・沖縄総合事務局知的財産室まで
ご連絡ください。
なお、配布数には限りがございますので、予めご了承ください。

 とのこと!急げ〜!

 

特許庁
地域団体商標ガイドブック2019
の詳細はこちら。
PDFで無料ダウンロードできます。

紙の資料の請求先は
このページの一番下に載っています。

www.jpo.go.jp

 

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「地域ブランド」虎の巻のご紹介でした!
お役立てくださいね。

 

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