4月生まれの牡羊座(おひつじざ)だからでしょうか。
長女だからでしょうか。
私は「1番でありたい」と思うことはあっても
「人と同じでありたい」という考えは
あまり持たずに過ごしていた子どもでした。
千葉県の公立校は、出席番号が「生まれ順」なんですね。
4月3日生まれの私は、小学校1年生から、中学3年生まで
ずっと「出席番号1番」。
先生の前で跳び箱を飛ぶのも、
歌やリコーダーのテストも、
卒業式で名前を呼ばれるのも
いつも、一番最初。
それが当たり前の毎日。
小学生の時は、学年で一番、生まれが早いわけですから
わりと何をやっても良くできました。
実際にテストの点数とか、何かを作るスピードなども
「1番」が多かったと思います。
「1番」に慣れると、
そうでない時がちょっと気持ちが悪いな
とさえ思っていました。
高校生ぐらいから大人になると、
「学年で生まれが早い」だけでは差が出なくなってきます。
先輩とご一緒する機会も増えてきます。
何度か鼻をへし折られ、
どうあがいても1番になれない場面での挫折を味わったのちに、
単に「1番になる」より「オリジナリティがある」方が
カッコいいな、と気づきました。
だって生き方に「1番」なんてないから。
業績にも「1番」はないから。
そう思えたのは、美術大学や、
マスコミというクリエイティブな職場で
長い時間を過ごした影響が大きいと思います。
単に売上の数字を出すより
誰も見たことがないものを創り出せる人の方が
評価が高い職場で、20〜30代をずっと過ごしました。
おかげで、人のオリジナリティを認めるのも
得意になったと思います。
会社では10年以上にわたり、
新入社員や中途採用者の教育係を担当。
なぜか毎年、毎年、私の下に新人がつくことを
特に不思議とも思っていませんでしたが
たぶん、上司が私の特性を見抜いてくれていたのでしょう。
「その人に合った新人教育を施す」ことは
当たり前だと思っていました。
「苦手なことさせても意味ないし」って。
また、何が自分のオリジナリティなのか、
ということについて
時間をかけて追求してきた人生のように思います。
「長く勤める」とか「豊富な経験がある」など、
「時間をかけることでしか得られない」オリジナリティが
存在するのも、
自分が歳をとるごとに良くわかりました。
日本では、ひとつのことに長く取り組んでいる人を
高く評価する傾向にありますね。
さて、こんな風に
「オリジナリティがある」ことを若い頃から重視していた私は
今、ブランディングを専門として、
他者の「オリジナリティを明確に磨く作業」の伴走者をしています。
「一番」を目指し続けていなくてよかったな。
そしうたら、今頃、
営業パーソンとして、部下にひたすら数字を競わせるような、
嫌な上司になっていたかもしれません(笑)
オリンピックで世界一を目指す
アスリートになっていたかもしれませんけどね!
エディターの池田美樹さんと毎月お送りしている
サウンドマガジン「Beautiful 40's(ビューティフルフォーティーズ)」、
8月は「SNSとの付き合い方」についてお話ししました。
私のSNSとの付き合い方は、以前詳しくブログにも書いたので
こちらをご覧ください。
美樹さんとの会話の中で今回、一番気になったのは
SNSで「人と自分を比べる」からツラくなる、
という心理学のお話。
例えば、私は子どもがいないので
Facebookの誰かの投稿で、子どものいる団らん風景を見ると
「素敵だなあ」「面白そうだなあ」「いろいろ大変そうだなあ」
などと思います。
これは比べているのかな。
でも、ないものは仕方ないので、
こういう時は「いいね!」して、自分のことに取り組みます。
オフィスで仕事をしている時、
海や山、海外旅行の素敵な写真を投稿している人がいると
「うわあ〜 羨ましい! 行きたい!」
「いつか私も!」と感じます。
これは比べているとは言わないか?
でも、どちらかというと「人と比べる」よりは
「いいとこ探し」「オリジナリティをつくる」方が
好きな自分に気づきました。
人と自分を比べたり、
人の文句を言っている暇があったら
昨日の自分と、今日の自分を比べたい。
私は、進化しているか。
私は今日、新しい何かを得たか。
そこがいま、自分が一番、興味あることだとわかりました。
Illustration by Naoko Moriyama
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