秋晴れの日曜日。
「NPO法人 こども哲学 おとな哲学 アーダコーダ」にて
哲学ファシリテーターの養成講座を開催しました。
「アーダコーダ」は、
正解のない問いについて、グループで考える「哲学対話」の場や、
そのスキルを提供しているNPOです。
哲学を専門とする大学教授たち、
小・中・高校で実践哲学を行っている先生方、
街の哲学カフェの主催者、
教育・メディア関係者など、
非常にバランスの良いメンバーで構成されています。
私は、哲学については全くのシロウトですが
「考える」「伝える」を生業とする者として
大きな学びが得られると思い、
2014年の設立当初から、理事として参加しています。
また、NPOのブランディングや、PRの一端も担っています。
講座のようす。小学校の教諭など、教育関係者が約半数。
「正解のない問い」。
例えば、
「幸せ」ってどういうこと?
「愛」って、なんだろう?
「仕事」とは、自分にとって何なのだろう。
こんな風に、正解がなく、
また誰にとっても無数の答えがあるような
深い話について、
お互いの意見を聞きながら、ゆっくり語り合って行くのが
「哲学対話」です。
車座になって、相手の意見を聞きながらゆっくり話します。
人の話は最後までさえぎらないのがルール。
自分と違う意見も「ふんふん」と聞いていると、驚きがあります。
文字の解説だけだと、
難解に見えてしまうかもしれませんが
これ、ぜんぜん、難しくないんですね。
独特の「浮遊感」が本当に楽しい!
いつも考えていることのようなのに、
うまく言葉にできない。
逆に人の話を聞いて、びっくりしたり、共感したり。
誰かの質問ひとつで、自分の価値観が揺さぶられ、
ときには足元がひっくり返る感じ。
私は哲学対話を始めて、
自分の中にある「こだわり」や「べき」を
たくさん見つけられるようになりました。
自分の問題と、相手の問題を上手に切り分けることも
できるようになって来ました。
また、自分以外の人が「考えている時間」を
圧倒的に大切にできるようになりました。
これは、普段のビジネスの打ち合わせや、
セミナー講師を務める際にも、
大きく役立っています。
「哲学者の道具箱」というカード。
世界中で、哲学対話を促進するために使われています。
「哲学する(Doing Philosophy)」という表現があります。
何かを決めたり、結論を出したりはしない。
相手を打ち負かしたりはしない。
でも、相手の意見を聞くだけでは終わらない。
ただ、わいわい楽しむだけでもない。
自分と向き合いながら、自分の本当の考えを知り、
言葉を探り、ゆっくり口にしてみる。
人の深い考えを、ちゃんと聴いてみる。
そんな時は「あなた、哲学してるね!」と褒めてみよう。
気になる人は、一緒に哲学してみよう!
自分が抱えている問題の「解」はひとつじゃない。
と、気づくことで
良い人生を送ることができるような気がします。
哲学対話のことがよくわかる
おすすめ映画はこちら。
映画「ちいさな哲学者たち」
監督:ジャン=ピエール・ポッツィ, ピエール・バルジエ
主演:ジャック・プレヴェール幼稚園(フランス)の園児たち、先生たち
公式サイトで予告編が見られます。
Amazon配信はこちら
DVDパッケージはこちら
こども哲学に関する、代表的な書籍はこちら
団体のホームページはこちら。
2016-03-08 追記
こども哲学の紹介動画が完成しました。
小学校4年生〜6年生のこどもたちの対話の様子がご覧いただけます。
3分弱の短い動画ですので、ぜひご覧ください。
*本動画は、立教大学SFR共同研究プロジェクト
「死生観と道徳性の生涯発達における対話の効果についての研究」
(代表:河野哲也 立教大学教授/アーダコーダ理事)
の一環で制作されました。
私はいかなる場面でも
「丁寧に、深く考える」ということを
探究し、応援して行きたいと考えています。
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