守山菜穂子 | Mint Days

ブランドコンサルタント 守山菜穂子のブログです。

私がパーソナルブランディングの仕事を始めた理由

私は日頃、
「個人クリエイター向けのパーソナルブランディング」
というコンサルメニューを提供しています。

今回は、この仕事を始めた理由について
改めてご紹介したいと思います。
話は……大学時代まで遡ります。

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19歳。
多摩美術大学グラフィックデザイン科に、現役合格した私。
1浪・2浪は当たり前、多浪(3浪以上のこと)も多い美大において、
現役入学生は、非常に少数派でした。
「将来は、グラフィックデザイナーになりたいな!」
意気揚々と入学しましたっけ。

しかし。ピンチはすぐに訪れます。
毎週、出される、膨大な課題。
正確なデッサン力に加え、多彩な技法での作品作りを求められる。
さらに「自分らしさ」を徹底的に突き詰めさせる。
アイデアが……枯れて出ない。
作品に粘れない。
途中で疲れて、飽きてしまう。
もう、全然、作りきれないのです。

「劇的に面白い作品が作れない」
「常識から出られない」

それが私のコンプレックスでした。

毎週出される課題に対し、サクっと3案ぐらい考え、
そのうちの1案を、丁寧に仕上げて
提出するような学生生活。

ただ幸い、私は人前に出るのが
さほど苦にならないタイプ。
作品の提出時には、教授や同級生の前で、1人ずつの
「プレゼンテーション」が行われ、
作品コンセプトや、画法の作品など説明するのですが
それは得意でした。

デザイン科の評価は、作品+プレゼン。
両面が求められます。

ということで、それなりの評価は得られるのですが
何しろ、猛獣だらけの動物園みたいな大学(笑)。
自分では、作品レベルが「そこそこ」でしかないことに
とっくに気付いて、コンプレックスを抱いていました。

 

その頃の同級生に、
毎週出るひとつの課題に対して
10案、20案、30案と考えて出すような人がいました。
個性と意外性があって、作品への粘りもあって。
素晴らしいアーティストでした。

ただ。作品のクオリティは高いものの、
彼はプレゼンが苦手でした。
緊張もあり、大勢の前での説明は
いつも何を話しているか、よくわからない。

でも私は、彼の作品が好きでした。
その突き抜けた個性に、憧れていたのだと思います。

そこで、提出の前後に、個人的に質問をし始めたのです。
なぜ、この作品が生まれたのか?
これは、どうやって作ったの? 素材は何? 技法は?
アイデアの元はどこにあったの?
なぜこの色を選んだの?
等々。

会話の中では、自然に「要約」をしていました。

「なるほど。言い換えると、こう言う表現が近いのかな」
「(びっくりして)なぜ君は僕の作りたいものの意図を、そんなにうまく説明ができるんだ?」
「なんでだろう? でも、わかったよ」
「嬉しい」
「この通りに、明日のプレゼンで言うといいよ。先生にも伝わりやすいよ」
「そうする、ありがとう」

こういうことが学生時代に多々あり、
私はだんだん気づいていきます。

自分は、たいした作品を作れない。
そのコンプレックスは抱えつつ、
クリエイターの言葉を引き出してまとめることは
得意なのかもしれないと。

 

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大学卒業後、
広告会社でCMやカタログ制作の進行、
タレントのキャスティングに関わりました。

出版社に転職してからは、
モデル・タレント・小説家・漫画家・ビジネス書作家・
文化人・デザイナー・フォトグラファー・イラストレーター・
ライター・ジャーナリスト、そして編集者……
多くのクリエイターと仕事をしました。

彼らのプロフィールをまとめて、クライアントに提案したり、
個性に応じて仕事を発注したり。
業務で「Amazon著者ページ」や「著者セントラル」
徹底研究したこともあります。

幾つかのタレント事務所と深くお付き合いしたご縁もあります。

会社勤めの中では、後輩や、若いライターさんを育成。

また、大学卒業後、約20年間にわたり、
マスコミ向け就職セミナーで、就活生の指導を行っています。

そして2014年、ブランドコンサルタントとして独立。
「クリエイターのためのパーソナルブランディング」を
提供している、現在に至るのです。 

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私の根幹にあるのは、
「あなたのクリエイションを信じています」
という気持ち。

あなたがクリエイターとして生きて行く姿に、
私は素直に憧れ、尊敬しています。


「作れないのにクリエイターになれた」なんていう人は
まずいない。
作ることでお金をいただけている。
本当にすごいことです。

もっとたくさん、輝くものを作りたいですよね。
あと、実は、
作っているものには、割と自信がありますよね?

ただ、その事実をうまくアピールできない。
プロフィールが、恥ずかしくて書けない。
自分を分類できないから、ホームページが作れない。
作品に値段がつけられない。お金の交渉ができない。

こういうことが、良くあります。
日本人特有の奥ゆかしさもあるのでしょう。

でも大丈夫。
作っているものがあるのなら、
必ず、その意図をきちんと伝えられます。
よかったら、時間をかけて、伝え方を一緒に考えましょう。
相談に乗ります。


私の仕事が、
「作りたい」人と、
「素晴らしいクリエイターを見つけたい」社会の
架け橋になれたら、嬉しいです。

 

追伸:19歳の私へ。
あなたは、クリエイターにはなれなかったけれど
クリエイターを支援し、才能を伸ばす仕事を見つけたよ。
あの頃、自分の作品に向き合っておいて良かった。
今は、「趣味」で時々、好きな絵を描いてるよ。


All Photo by Naoko Moriyama 

 

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