日々、生活していて
私が「すごく嫌いだ」と思うことが
4つあります。
まず1つ目に、物の売り方。
物の売り方には2方向あって、
「人の不安をあおって、買ってもらう」方法がありますが
この、後者のやり方が、私は嫌いです。
「◯◯◯を塗らないと、お肌に◯◯◯ができますよ」
「◯◯◯を顕微鏡で見ると雑菌がいっぱい! ◯◯◯を使って
お掃除しないと、◯◯◯という事態に陥ります!」
「今ここで◯◯◯しておかないと、
ビジネスに影響が出るかもしれません」
「おなかの中の◯◯◯が足りないので
◯◯◯を食べたらスッキリ快調」
「この夏は◯◯◯なおしゃれをしないと、モテません」
こんなふうに、
「今まで存在しなかった」不安、
自分の知らなかった「新しい不安」を売ることで
モノやサービスを売ろう
この世にはたくさんいます。
しかし、これは順番としては実は逆で、
「モノを売ろう」とするために「不安を作り出して」いるのですね。
このやり方は、残念なことに
現在、マーケティング戦略としての
常套(じょうとう)手段でもあるようです。
私のビジネス人生20年の中で、私もこれに加担したことが
実は、なんどもあります。
あのとき、キャッチコピーにあおられて商品やサービスを購入した人は
果たして幸せになれたのだろうか。
塗らないと、飲まないと、綺麗になれない。
これをやらないと、生活が上手く行かない。
こんな、ユーザーたちの、日々の心配の種を
増やしただけではなかったか。
時々思い出しては、胸が痛くなります。
現在、私は
マーケティング(販売戦略)や、ブランディング(差別化戦略)の
コンサル業をしているので
時に「手っ取り早い」このやり方を、希望される場合があります。
でも、私は頼まれても、できるだけ他の方法で
解決するようにしています。
ちょっと厳しい言葉かもしれませんが
人が幸せにならない商品やサービスなんて、
そもそも、社会に存在する意味がないと思うからです。
また、そういう売り方をしている企業の製品は
個人的に、できるだけ買わないようにしています。
自分の生活の中に、
「不安」に関する言葉をこれ以上
増やしたくないんです。
2つめに嫌いなのは、決めつけること。
「女性は、女性らしい格好をしなければならない」
「会社員は、こうあらねばならない」
「起業した人は、コレをしなければならない」
こういう「常識」の皮をかぶった「ねばならない」が、
世の中に満ちていて
ちょっとうんざり。
この「ねばならない日常」に
自分が簡単に引き込まれないように
私は日々、注意を
対抗手段は、「ねばならない」に出会った時に
「本当かな?」と疑い
自分で調べて、考えて、いちいち「判断する」ということ。
常識を疑う、その影響を確かめる、というようなことです。
それは割と面倒だし、
決めたことの責任は「自分にある」ことになります。
それでも「ねばならない」から自由でいたいので、この道を選びました。
自分の仕事や、クライアントへの提案においても
「ねばならない」を作り出すような事は
なるべく避けて
なんというか、
みんな、好きに行きていけばいいじゃん?
って、思うんですよ。本当に。
私は自由に生きて行きたいし、
そう思っている人を、心から応援したいと思っています。
3つ目に嫌いなことは
「これさえしていけば安心」という言葉。
「◯◯◯さえ使っておけばお肌も安心!」
「◯◯◯にお金を預けておけば安心!」
「仕事では◯◯◯と◯◯◯だけやっておけばOK!」
「◯◯◯さえ着ればおしゃれになれる!」
短いキャッチコピーの中で「決めつける」手法は
売る側としては、実は、大変有効な手段です。
でもね、果たして実際に
そんなことがあるだろうか。
「**だけをやっておけば安心」などと言うものは、
安心するのは、自分が「覚悟」を決めた時だけなのです。
自分が覚悟を決められるために
何をするか、どれだけやるか、
それこそが、安心をもたらすのだと私は思っています。
これが最後なのですが
嫌いなことの4つ目。
「
「大変、厳しい時代に突入した」
「非常に複雑な世の中になっている」
「今までのビジネスモデルがうまくいかない時代が来た」
とてもよく聞く表現ですね。
でも、一度落ち着いて考えてみてほしい。
人類の誕生から現在まで、
厳しくなく、複雑でなく、
一度築いたビジネスモデルが未来永劫ずっと続いた
という時代が、かつて、あったでしょうか。
歴史をかえりみれば、わかる。
万物流転、
自分が仕事をしていたり、生きている
この10年、20年の中だけで
(そもそも私たちは概ね80年か90年ぐらいは生きるのです)、
「流れがある前提で生きていく」っていうこ
とても大切なんじゃないかと、自分では思っています。
だから、私は始めたことをやめるし、
人生において方向転換もします。
スピード感を持って飛びつく時もあります。
自分が覚悟を持って「ずっと続けている」ことの良さというのは
確かにあるけれど、
深く考えずに「今がずっと続いていく前提」を持っているとしたら
とても危険なことだと思っ
さて、
「モノを売ろう」とするために「不安を作り出す」行為、
「ねばならない」で人を縛ること、
「これさえしていけば安心」の甘いささやき、
「
これら、私の嫌いな4つのことを
自分の人生の中からは極力、減らしたいので、
代わりに付き合っている言葉は、
「
「好きなようにやればいいじゃん。応援するよ」
「もっと楽しくて素敵な方法はないかな!?」
「世界は常に動いている!」
ああ、並べてみたら、
我ながらすごく自分らしい言葉たちになりました。
たぶん、近しい人は知っている、
普段から私がよく口にしている言葉なんじゃないかな。
All Photo by Naoko Moriyama
写真は、愛用している文房具、ペーパークリップ。
"MAKE YOUR DAY"
自分の一日は自分で作れ。
まさにその通り。
2020年8月追記。
最近モヤモヤしていたことが、やっと言語化できた。
— 守山菜穂子 ブランドコンサルタント (@nao_moriyama) August 27, 2020
「コロナ禍において、今こそ企業が取り組むべきことは…」
「アフターコロナ、これが来る!」
「100年に一度の未曾有の危機に…」
みたいな表現がキライ。
不安を煽り出して、結局自社の集客につなげてるだけじゃん。https://t.co/jJkbhb0Gxa
承前)…っていう毒を吐きながら、私が言いたいのは
— 守山菜穂子 ブランドコンサルタント (@nao_moriyama) August 27, 2020
「未来を考えたくなったら、その時がチャンス!
いつでも、一緒に考えよう」
っていうことです。
タイミングは、常にある。
今だから、とかはない。
タイミングは個人や、企業の中にしかない。
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