守山菜穂子 | Mint Days

ブランドコンサルタント 守山菜穂子のブログです。

7日間ブックカバーチャレンジ〜私の好きな本

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「コロナ感染症対策で外出自粛」という
世界史に残るであろう1ヶ月半が粛々と過ぎ、
まもなく2ヶ月になろうとしています。 

そんな中、知人の編集者から
「7日間ブックカバー・チャレンジ」というリレー企画の
バトンが回って来ました。

この「バトン」というのが、くせ者で。

新手のチェーンメールだ! 迷惑だ!
と怒っている方もいたし、
バトンを渡されたから書くという「制限」されている感じが
イヤなので、私はパス、という方も。
まあ、気軽に楽しめばいいんじゃない?という人もいました。

どう捉えても良いと思います。 


私は、バトンが回ってきた時
素直に「あ、嬉しいな」と思いました。

「在宅期間中、自分が読んできた本を、読み返す
いいチャンスになるかも」
そう思ったんですね。


SNSでつながっている人たちが、
自分の好きな本を紹介しているのも、見ていてすごく楽しかった。
その人を構成されている要素がわかるようで。
その人の生きてきた道を、因数分解しているようで。


いつもはビジネス書や、
いわゆる「役に立つ本」ばかりを紹介している
このブログですが
今回は、この「7日間ブックカバーチャレンジ」で紹介した
「私の好きな本」を7冊、
みっちりご紹介したいと思います。

愛が溢れて……この記事、長くなっちゃうかも!

 

Day 1

 

小学生の時に、市立図書館で借りた本。
シリーズ全6巻ありますが、確か全部、
図書館で借りて読みました。

 

家には、この本は、なかったんじゃないかなあ。
あったかなあ、うろ覚えです。

でも、何度も読んだ記憶があります。

 

大人になって、ふと書店の児童書コーナーで見つけて
買ってしまったのが、
表紙の一冊です。

 

「この山には、まものがすんでいるんだよ」
「どんなまもの。」
「"こぼしさま"といってな。小さい小さい人のことさ」

人間の小指のサイズぐらいの、
伝説の小人。
それが「こぼしさま」であり、「コロボックル」です。

静かな、そして美しい野山や小川、草花、風の描写。
コロボックルを見つけてしまった、子どものドキドキ。
大人同士の秘密。

そう、秘密。
秘密を共有する間柄は、甘美です。


今でも私、
「コロボックルは、いる」
そう思っています。


対象年齢は、小学校中学年くらいから。
お子さんがいる方は、ぜひ親子で読んでいただきたい
素晴らしい名作です。

書籍版はこちら(青い鳥文庫)

Kindle版はこちら(講談社文庫)

 

 

 

Day 2

 

私がこの本を初めて読んだのは、
2006年、30〜31歳の頃だったと記憶しています。

たくさんいい商品を作って、じゃんじゃん出荷して、
バカスカ売れたら、みんな儲かるし、
消費者も素敵な商品が買えて嬉しいし、
全体的にハッピーじゃん。最高!

そんな感じで仕事をしていた頃でした

そういう時代でした(だと思っていました)。 

 

まだ「エシカル」とか「持続可能な社会」
なんて言葉を、私は知らなかった。

「SDGs」という言葉もなかった。

 

なんとなく風車のキレイな表紙に引かれて
書店で手にとった1冊。

「人間の知恵で、世界を少しでも良くすることができる」

私自身に、そういう視点を
全く初めて与えてくれた、
人生のターニングポイントになる1冊です。

 

内容は、するすると読める小説。
とある「普通の家族」が
ネパールに風力発電所を建てるチャレンジをする
という不思議な物語です。

沖縄、ネパール、ヒマラヤなど
風が強い場所が、話の中にたくさん出てきます。

この本を読む時、
いつも自分の周りに、いろんな種類の風が
吹いているように感じます。

風が、未来へと向かう人の
背中を押してくれます。

 

今思えば、あの頃は
消費の時代だったのでもなく
売ることしか考えていない社会だった訳でもない。

私が、ただ「そういう人として生きていた」だけでした。

 

 

Day 3 

 

前述の池澤夏樹著「すばらしい新世界」を読んだ後、
自分のなかに
「具体的に、社会を良くするような仕事がしたいなあ」
という、小さな気持ちが生まれました。

 

この本は、タイトル通り
ふたりの20代の女の子が、
「世界を良い方に変えるオシゴト」を作るまでの
爽やかなチャレンジ・ストーリー!
とってもすがすがしい本です。 

2010年発売当初、どこか雑誌の書評で
新刊紹介を見たのだと思います。
すぐ取り寄せて購入し、読みました。

「社会起業家」という言葉を知ったのは
この本だったと思います。 

 

同世代の、社会起業家の活躍を知った35歳頃の私。
当時のメモに、こう書いていました。 

「世界を変える」なんて大それたことは、
私にはできないけど
「人を幸せにする」「幸せな人を増やす」ことなら
自分にもできそうだな。できるかな。

 

「すばらしい新世界」が種なら
「世界を変えるオシゴト」は、それを育てる土でした。

私の2つめの人生が、この本から始まりました。 

 

本を読んでから10年経って、
マリーとキャロルには全く追いつけないけど、
そういう生き方があること
社会を良くする活動と、ビジネスは両立できることを
今の私は、知っています。

大切なことを教えてもらった1冊です。

紙の本はこちら

電子書籍版はこちら

 

 

 

Day 4  

 

この本を購入した理由は、ハッキリ覚えています。
私が32歳の頃。
当時の会社の先輩に
「いつも不機嫌」な人がいたんです。

毎日、毎日、
不機嫌を辺りに撒き散らしているような人でした。
みんな辟易(へきえき)していて、私もその人と一緒に仕事をするのが
本当にいやでした。
会社に行くのが憂鬱(ゆううつ)になるぐらい。

 

「不機嫌な人」への対応策を
いろいろ考えている中で、
この本に巡り合ったのだと思います。

 

「上機嫌の作法」から、序文を引用します。

 なんて無意味に機嫌の悪い人が多いのでしょう。

 不機嫌にしていることで、メリットがあるでしょうか? 考えてみてください。誰かが気分がよくなったり、もしくは仕事が進んだりするのか。(中略)くよくよして、むっとして、無気力でいて、何か新しいものが生まれるでしょうか?

 私には、不機嫌さは「なんらかの能力が欠如しているのを覆い隠すため」だとしか考えられません。たとえば無能さを突っ込まれないようにするため。あるいはお調子者だとかバカだと思われないようにするため。不機嫌であることが、あたかも威厳があり、知的があるかのように思うのは大きな勘違いです。

めちゃくちゃ辛口(笑)
ここまで読んで、あ〜胸がすく!と笑い転げました。 

 

書籍の内容は、
自分が上機嫌でいられるにはどうしたら良いか、
のかなり具体的なハウツー。

名著「声に出して読みたい日本語」
齋藤孝(さいとう・たかし)先生による著書です。

 

まずは、黒柳徹子さん、谷川俊太郎さん、
新庄剛志選手、小野伸二選手、長嶋茂雄さんなど
「上機嫌な有名人」の、生き方の秘訣。

それから、
からだを温め、無駄な力を抜いて立つなどの
身体技法。

自分のテンションを上げて
スピードアップして生きていく方法。

そして、不機嫌な人に出会ってしまった時の対処法。

 

この本を読了したのち、
その先輩の存在が、全くどうでも良く思えてしまい
以降、私は15年ぐらい「基本的に、上機嫌な人」として
生きることができています。

(まあ、たまには不機嫌になることもありますが……
 まだまだですね!)

 

とにかく、めちゃくちゃ面白い本。
生きやすくなります!
みんなにおすすめしたいです!

 

今、Amazonの履歴を見たら
私はこの本を合計4冊も買っているようです。

そういえば、感銘を受け過ぎて、周りの人に
何冊もプレゼントした記憶がよみがえりました。
若かりし頃の、上機嫌の押しつけ!
なんだか、笑ってしまいます。

そこから10年以上たち、今、45歳になって気づくことは
「仕事ができる人、好かれる人は、みんな上機嫌」
の法則です。これは間違いない。

紙の本はこちら

 

Kindle版はこちら

 

 

Day 5

 

美術大学に通う学生の頃、19歳ぐらいかなあ
大学の先輩だったか、先生に
「これは絶対読め」と言われて、手にとった記憶があります。

西洋の光。
白い壁、大きなガラス窓から
さんさんと光が入る、明るい部屋。
もしくはシャンデリアのきらめく明かり。
白いテーブルクロスの上に置かれた、
薄い白磁のスープ皿。
透明なコンソメスープ。

日本の光。
目立たない色をした、光を吸うような、砂壁の和室。
障子紙をくぐり抜けた、ごく薄い、
ぼんやり、ほんのりとした明かり。
もしくは夜の、和ろうそくの静かな明かり。
黒い漆(うるし)の塗り物の、お椀の中の
ゆらりとたゆたうお味噌汁は
底が見えず、その闇に吸い込まれそう。


この本を読んでから、
こんな風に
西洋と東洋の感性の違い
光や色、形の違いを
しっかり捉え、言語化できるようになりました。

名著です。
デザイン・アートや映像に関わる方で
未読の方がいましたら、ぜひ。

紙の本はこちら

Kindle版はこちら(青空文庫、無料です)

 

Day 6 

人生のベスト1冊を挙げて、と言われたら
私は、この本を選ぶと思います。

 

自分のことをもっと知りたい。
自分を動かしたい。
なぜ、今の自分が停滞しているのか、うまく行かないのか
その理由を知りたい。

とにかく自分の中のモヤモヤをふり払いたい、
不安をなくしたい。

そう思っている人に、おすすめしたい本です。

 

本を読んでいくと

・絶対にしたくないことと、その理由を書き出してみよう

・自分が好きな場所と、その理由を書いてみよう

・自分が好きな味、好きなにおいは?

・自分が気にしていること、不安に思っていることは?

 

こんな風に、テーマを与えられるので
書籍とは別の、手元のノートなどに
考えながら、書いて行きます。
スマホのメモ帳でもいいと思います。

 

質問に答えながら、じっくり考えながら
書いていくだけで、
自分のことが良く理解できます。

 

今、私が知っている表現を使うと
この本は
内省のきっかけとなり、
自己理解が深まり、
自己肯定感が上がります。

となりますが、
2011年当時、私はそういう言葉を知らなかったな。

 

私が持っているものと表紙が違いますが、
文庫で新版が出ていました。

 

Day 7 

 

最後は「怪盗ルパン」。
小学生の時、大好きでシリーズ全巻を読破し
繰り返し読んでいました。

写真でご紹介したのは、大人になってから購入した
Kindle(電子書籍)版。
スマホにルパンを入れて、持ち歩いています。

 

謎とき
ワクワク
ハラハラ
正義
愛と美
真実
スピード
知恵
エレガンス……

こんな面白さに夢中になった、小学生時代。

 

今もこの感覚が好きだから、私は
コンサルティング業
をやっているんだと思います。

コンサル業って、毎日が、謎ときです。

 

怪盗ルパンの素敵なところは
エレガントで、スピーディなところ。

私も、エレガントにスピーディに
それでいて的確に
問題を解決できる人でありたいです。
ルパンのように。

真・善・美の全てが詰まった
至高のミステリー小説です。

 

なお本書は、1958(昭和33)年に発行されたもので
内容の一部に、現代では差別用語とされる言葉も
含まれています。

巻末に下記のように脚注が掲載されています。
「編集部としては、本書の持つ文学性および芸術性、
また原作者および翻訳者が故人であるという事情に鑑み、
表現の削除・変更はあえて行わず、底本通りの表記としました」

本ブログにもこの注意書きを
念のため転載しておきます。

紙の本はこちら

「昔、好きだったあの本」の
Kindle版があるの嬉しくないですか?

 

あー楽しかった。
すごい字数を使って、偏愛を披露してしまいました。 

あなたにとっての「好き」とか「懐かしいね」
もしくは「読んでみたい」
と思う本が、1冊でもあれば
嬉しく思います。

 

All Photo by Naoko Moriyama

 

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