守山菜穂子 | Mint Days

ブランドコンサルタント 守山菜穂子のブログです。

すきなきもちがぼくはすき

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心がやわらかく繊細になっているとき。

もしくは、
あの時の傷がまだ癒えていないことに
ふと、気づいたとき。

気持ちを紛らわせたいんだけど
新聞やビジネス書は
あまりにも「現実」すぎて、ちょっと読む気がしない。

テレビ番組、ラジオやYouTubeも
声が大きすぎる感じがして

小説やドラマは、物語の波が強すぎて

音楽は、逆に染み入りすぎて。

 

結局、無音のなかで過ごす
ということがあります。

心のリハビリ。

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部屋の窓を開けて、鳥の声や、虫の声を聞きます。
私が住んでいるところは東京の住宅街なのですが、
朝も、夕方も
結構、鳥ってよく鳴いているものです。

あとは、扇風機の動く音とか。
遠くを走る車の音が聞こえたり。 

 

少し時間を経て、
何かじんわりと優しい言葉を読みたくなった。
そんな時、私は詩集や短歌集を手にとります。

 

今週、駅前の本屋さんに立ち寄って
1冊の詩集を購入しました。

 

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谷川俊太郎さんの詩集
「バウムクーヘン」。

表紙のイラストは、黄色が鮮やかな、菜の花。

何か見覚えのある、親しみのある線だな、と思ったら
「ミッフィー(うさこちゃん)」で有名な
ディック・ブルーナ氏によるものでした。

 

バウムクーヘンのように重なり、
人生を形づくる56篇の詩の中から、
私が好きになった2作をご紹介します。

 

+ + + + + + +  +

 

すきになると  谷川俊太郎

 

 すきになるのがぼくはすき

 だれかがぼくをきらいでも

 ぼくはだれかをすきでいたい

 すきなきもちがつよければ

 きらわれたってすきでいられる

 

 なにかをすきになるのもぼくはすき

 すきになると もっとそれをしりたくなる

 しればしるほどおもしろくなる

 それがうつくしいとおもえてくる

 

 だれかをなにかをすきになると

 こころとからだがあったかくなる

 かなしいこともわすれてしまう

 だれともけんかをしたくなくなる

 すきなきもちがぼくはすき

 

+ + + + + + +  +

 

これを読んで、
わわー、
私は誰かを、何かを、好きになるのが
すごく好きだ!!

と気づきました。
びっくりしました。

そんな単純なことにも気づいていなかったの?自分。

みんなは気づいてた?

詩人はたったひらがな170文字で
全く新しい世界をくれます。

 

同じ詩集から、もう一遍。

 

+ + + + + + +  +

 

すききらい  谷川俊太郎

 

 ぼくのすきなことばは

 「すき」ということば

 「きらい」ということばも

 きらいではないけれど

 「すき」のほうがおいしい

 

 うそですきというのより

 ほんきできらいというほうがいい

 きらいのなかに

 すきがまざってることがある

 そのすきはうそじゃない

 

 すきがいっぱいあるひとは

 のんきであかるくつきあいやすい

 きらいがたくさんあるひとは

 つきあいにくいけどおもしろい

 すきでもきらいでもないのはつまらない

 

+ + + + + + +  +

 

ああーまさに私
「きらい」ということばもきらいではないけれど
「すき」のほうがおいしいから好き。

そうかあ、「すき」はおいしいのか。

 

すきがいっぱいある、
のんきであかるく、つきあいやすい人。

私の周りの何人か
大好きな友の顔が浮かびました。

 

大人になって、詩を読む人って、少ないかもしれない。
でも、
心がやわらかく繊細になっているとき
きっと詩は、ゆっくり染みます。

 

詩集「バウムクーヘン」
谷川俊太郎 著
ディック・ブルーナ 装画
ナナロク社 刊
2018年8月発行

バウムクーヘン

バウムクーヘン

 

 

日本を代表する詩人・谷川俊太郎さんの処女詩集
「二十億光年の孤独」も素敵です。
原本は、1952(昭和27)年6月に刊行されたものですが
集英社から、2008年に新装文庫版が出ています。

 

88歳になってもお元気で、
今年2020年も新刊を精力的に発行されている
谷川俊太郎さん。

以前、表参道のお蕎麦屋さんでご本人をお見かけして
食事中につき、そっと遠目でラブコールを送った私。
次にお会いすることがあったら、
「すきなきもちがすきです!」
とご本人にもお伝えしたいなと思いました。

 

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