私は38歳のとき、
勤めていた会社を退職し、独立起業しました。
起業する前に、
「自分のキャリアの棚卸し」とか
過去に関わったプロジェクトを見直す、
経歴を整理する、
というような作業を、結構いろいろしたんですね。
そのとき、こう感じました。
「自分のキャリアは、分断していて
全くつながっていない感じがする」
「蓄積が、甘い」
私は23歳のとき、新卒で広告会社に就職して、
２年後、25歳で転職しています。
そのあと14年間勤めていた出版社は、
２年程度でジョブローテーションがあり
本当にいろいろな仕事をさせてもらいました。
一般的な同世代に比べて、数多くの経験を
積ませてもらったこと。
これには本当に感謝しています。
さらに
勤めていたメディア業界は、基本的に新しもの好きですし
読者を飽きさせないよう、
次々と新しいプロジェクトが立ち上がります。
私自身も、20〜30代のときは
若いなりの瞬発力があった。
仕事でたくさんのプロジェクトを並行して動かしながら
話題のスポットや、お店などにも「マスコミ人」のたしなみとして
必ず顔を出すようにしていました。
プライベートでも、習い事とか、趣味とか
興味の赴くままに、いろいろ手を出していました。
それで、いいと思っていたんです。
アクティブに、いろいろチャレンジしたり
試す人。
それがカッコいいんだと思っていました。
しかし38歳で、
独立を前にして、じっくり自分の「来し方」を振り返った時、
ふと、気づいてしまったんです。
今まで、あれこれと手を出したけど、
実は、何も形になっていないんじゃないか？
「やばい」と思いました。
そこで、この38歳以降、
私は「積み上げる」「蓄積する」ことを
圧倒的に、意識するようになりました。
新しもの好きで、スタートの感覚が大好き。
あれこれ試したい自分
だからこそ
「長く続ける」方法を考えるようになりました。
例えば
何かを始めるとき、
「それは、長く続けられることなのか？」と
まず、自問自答します。
「長く続けられる」と、確信が持てることのみ、始める。
そう決めています。
新しいことを始めたいときは
まず、その前に、同じ分量の何かを捨てます。
捨てられないときは、新しいことを始めないようにしています。
これをしないと、結局あれこれ手を出してしまい
全てが中途ハンパになるのです。
発信方法を、コロコロ変えない
ということもすごく気をつけています。
例えば言葉づかい、服装、髪型。
ウェブサイトの色や形。
「スタイルをつくる」ということを、徹底的に
意識するようになりました。
2009年6月から、ツイッターを
2015年8月から、はてなブログを始めましたが
目標は「やめないこと」です。
ブログは、３ヶ月に１回しか更新できていない時期も
今までにあるけれど
6年間で、200記事以上を投稿しました。
これからもゆるゆる〜と続けていきます。
新しいSNSがどんどん立ち上がり、話題になりますが
基本的には「長く続けられるもの」しか
手を出さないようにしています。
始めたものは、ブームに関係なく、基本的に続けるようにしています。
積み上げること。
蓄積すること。
今、46歳なのですが
あのとき、それに気づいて本当によかったなあと
心から感じています。
「年齢を重ねたら、
キャリアは自然に積み上がるだろう」
そう思っている人は、多いのではないでしょうか。
ところが、そんなことはないんです。
積み上げよう、と、意識をしないと。
人生がどんどんバラけていってしまう。
あ、確かに
「自然にキャリアの積み上げができる人」もいます。
いわゆる、コツコツ型の人。
組織だと、一見、地味に見えるかもしれない。
「あの人、ずっと同じことをやっているよね？」とか
言われるような人。
でも、20年ぐらいしたとき、
その積み上げが、確かな実績になっていたりします。
私はそうじゃなかった。
だから、「積み上げよう」と思いました。
未来の自分のために。
今もまだ、その道の途中です。
これは、パーソナルブランディングの相談の現場で
わりと、よく出る話題です。
特に40代以降の方のお悩みで、多いです。
「長く仕事をしているのに、
まだ、何者にもなれていない感じがする」
「ふと気づいたら、同業のライバルと差がついてしまった。
いつ、なぜ、差がついたのかわからない。」
こういうこと、ありませんか？
落ち着いて。
「今日から、積み上げましょう」
「蓄積しましょう」
こんなふうにお伝えしています。
大丈夫、今からでも、まだ間に合います。
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All Photo by Naoko Moriyama
千葉市美術館
拡張リニューアルオープン・開館25周年記念展
「宮島達男 クロニクル 1995−2020」にて
2020年9月撮影
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