守山菜穂子 | Mint Days

ブランドコンサルタント 守山菜穂子のブログです。

集客がつらいあなたへ

「集客」って、孤独ですよね。

いつもいつも、新規のお客様を探して
ドキドキしながら声をかけて。

うまく新規のお客様とお会いできたとしても、
初回は、お互い緊張します。
会ってみて、また、商品やサービスを使ってみて
相性が悪かったらどうしようって思います。

法人営業でも、個人事業の方でも、
お客様を集め続けること、新規の顧客を探し続けることは
すごく大変だし、しんどいと感じます。

 

当社にご相談いただく経営者や、個人事業主で
「集客がニガテ」という方は、とても多いです。

また、
「コロナ禍で環境が変わり、今までのやり方で
新規の顧客を集めることができなくなってしまった」

とか

「ずっと新規顧客を追ってきて、楽しかったけど
この先、いつまでこれをやるんだろうと
気づいてしまった」

というような方もいます。

 

「集客がニガテ」「集客の苦労から卒業したい」
そんな方にご提案するのは、
マーケティングの仕組みづくりです。
 
具体的には、
 1, 「クロスセル」を行う
 2, 「リピーター」を促進・強化 
のふたつ。
 

過去1度でもご利用いただいたお客様に
別の商品・サービスをご提案すること。

これを「クロスセル」と呼びます。

そして、2回目以降のご購入を促します。
再購入いただけたら「リピーター」です。

何度も何度も、商品やサービスを購入いただける
リピーターを増やしましょう。

 

もしあなたの会社にリピーターが少ない場合、
そもそも「リピート購入が可能な、商品・サービス」が
存在しないのかもしれません。

 

・リピートしやすい商品・サービスを作る(クロスセルが成立)

・メルマガやDMなどで、リピートを促す

この仕組みを構築していきましょう。


ほら、あなたの所にも、いろんな企業や店舗から
メルマガや、LINE公式のお知らせや、ハガキなどが
届いていませんか?

そういうお知らせを、ふと見て
「あ、そうだ、このブランドでまた購入しよう」とか
「この店、また行きたいな」と
思ったことがありませんか。

それがまさに「リピート購入」です。

 

はい、ここまでは
マーケティングの定石のお話でした。


さて、
「クロスセル」「リピーター」を強化するというのは

・1人1人のお客様との関係性を強くすること

・お客様と、長年の関係を築き、積み上げていくこと

でもあります。


ですので、
自社の事業や、
今の自分に「自信」がないと、
かなり怖いと思います。


例えば。

「いつか、この仕事をやめるかもしれない」

「そのうち、旅に出て、ここからいなくなってしまいたい」

なんて思っていたら、リピーターを作るのは怖いです。

だって、そのお客様の「思い」を、
今後、長年かけて
受け止めることができないから。

そもそも、自分がいなくなる可能性があるから。


リピーターを作るのは、
自分自身に「責任」
生じるということでもあるのです。

 


経営者や、会社員の方は

「今、自分が担当しているブランドは
事業部長が変わったら/社長の気が変わったら
なくなってしまうかもしれないな〜」

「自分も、いずれ異動(転職)するし」


こんなふうに思っていたら、リピート施策は考えられないです。

「長年愛される」施策をうっかり構築してしまったら、
そのお客様に、申し訳ないと感じる日が
いずれ来てしまうからです。

 

リピート施策を構築することは、
ブランドが「永続経営する」前提の上に
成り立つ考えでもあるのです。

 


私が、さまざまな企業や経営者の
マーケティング・ブランディングのご相談に乗る中で、
「クロスセル」「リピーター」という定石が
はまらないクライアントというのが、時々、出てきます。


例えば、個人事業の方に多いのは
「全て投げ出して、ある日、消えてしまいたい」という願望。

ちょっと厳しめに表現すると
「投げ出しグセ」「消えグゼ」のある人。
リセット願望のある人。

とでも申しましょうか。


その人をよーく観察すると
お客様との関係だけでなく、
お仲間との人間関係もそんな感じだったりして。
長い友達がいないとか。
数年に一度、周囲を大リセットしているとか。


そういう方は、私がどれだけ提案しても
「クロスセル」「リピーター」の仕組みを作ることを嫌がります。

もっともっと、いつもいつも、
「新規」を開拓し続けたいとおっしゃいます。


そんな場合は、無理にお勧めしません。
まだ「責任」に対する、心の準備が整っていないんだと思います。

もしくは、仕事は「苦労しないと、やっている感がない」、
苦労してこそ仕事、
と感じるタイプの方なのだと思います。


あとは、若い頃「消えグゼ」「リセット願望」があったけれど
年齢を経て、
または、そろそろ事業に自信がついたから。
いよいよ、これからは「クロスセル」「リピーター」を考えていきたい。
という人。

 

「リピーターについて、初めてちゃんと考えます」

「これからリピート促進に取り組みます」

こういうシーンに出会えることもあり、
私は、それはすごく嬉しく感じます。

短期的視点から、長期的視点に切り替わるタイミングです。

長年のお客様に囲まれて、幸せで安定した事業を作る
未来が見えてきます!

 

「クロスセル」「リピーター」という定石が
はまらないクライアント。

法人で多いのは、
スクラップ&ビルドが早い会社です。


事業をどんどん立ち上げるけど、
試してみて、うまくいかないようなら、すぐに撤退する。

新規事業の立ち上げという側面から見ると
非常にスピーディーで、判断も早い。

コミュニケーション力が非常に高くて、営業が得意な人が
社長になった会社に多いようです。

スタッフも営業が得意で、似たような人をどんどん採用しています。

新規顧客をつかまえるのが得意だから
「新規」「集客」を徹底して行い、
短期的な売り上げをバンバンたたき出します。


一方で、こういう会社は「継続」が苦手のようです。

「クロスセル」「リピーター」の構築を仕組み化するよう
提案しても、そこに人手や時間を割くことを
良しとしません。

もしかすると、いつか会社ごとスクラップする
可能性があるから!?
と、ちょっと、勘繰ってしまいます。

 

短期的な売り上げを求めて、動くというのは
ひとつの、会社の経営方針ですから、
外部の私がとやかく言う必要はありません。

ただ「ブランディング」は継続性をもって長期的に
行うものなので、
法人の場合「ブランディングは、短期では結果が出にくいですよ」と
お伝えしています。

 

 

お客様と、長い関係を作る。

マーケティング用語でいうと
「Life Time Value(顧客生涯価値)」を上げる。

 

これは、自社の事業や、自分自信が
長く付き合える存在である
間違いない商品・サービスであるという
「自信」がないと、できないことなのです。

 

「集客がつらい」
「新規を集め続けるのがきつい」……?

いえ、つらいのは、集客という行為じゃなくて、
自分とお客様の関係を、強く信じられないこと
の方かもしれません。

 

自社の事業に、自信をつけること。
誇りを持つこと。
私は、それこそが「ブランディング」だと考えています。

 

 

All Illustration by Naoko Moriyama

 

 
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