2020年7月12日
仕事で東京の「東の方」に行ったので
ちょっと足を伸ばして、
新木場・東京都現代美術館
「オラファー・エリアソン
ときに川は橋となる」展
に行ってきました。
東京都現代美術館(Museum of Contemporary Art Tokyo:MOT)の
エントランス部分。
三角形の柱と、
パンチング壁の大小の円形、
金属と、ガラス。
この風景が好きです。
オラファー・エリアソン (Olafur Eliasson)は
1967年 デンマーク・コペンハーゲン生まれの芸術家。
展覧会の会期ですが、当初予定に対し、
コロナ感染症拡大によりで延期に。
6月9日(火)〜9月27日(日)までとなりました。
私が行ったのは7月なのですが、
この看板の日付表示は古いままですね。
混乱が残っている感じも、
時代性があるなと思いました。
東京都現代美術館(MOT)のホームページ
太陽光で動く、幾何学形態のオブジェ。
天井から吊るされたオブジェはゆっくりと回っていて、
そこに光が当たることで
新しい色と光が生まれます。
美しさと、
エコであり、エシカルであること。
美術においても今、その両立が求められています。
同じく太陽光で動くオブジェ。
三原色のアクリルの円形が動き、
さまざまな色を生み出します。
円形スペースの中央に置いてある、
水がたっぷり入った円盤。
そこに光が当たることで、
新しい形が生み出されます。
オラファーは、自身のアトリエで
スタッフと食事したときに出る野菜くずから
水彩絵具を開発したそう。
自然な野菜の色味を生むために
さまざまな実験がなされています。
海辺に流れ着いた
流木を使ったアートとか。
各国の展示会に運ぶとき、燃料をなるべく使わなくて済むよう、
「球形を小さく畳む」検証をしているそう。
その経過となるエスキース(試作品)も
展示されていました。
ほかに
流氷が溶けていく20年間を記録して、
気候変動を考える作品などもあり
展覧会の中に、サステナブルな思想・技術が
たくさん仕掛けられていました。
この展覧会、
全体の作品点数はあまり多くないのですが
じっくり意味を考えながら観て欲しい、という
意図なのかなと思います。
他のお客様の会話が耳に入ってきたのですが
「エシカルな作品……」とか
「サステナブルだね」
なんていう会話をしている人が多数。
すごいな。
美術は常に「世界」であり、
時代の最先端であるので
それが、今の時代の感性なのだと思います。
東京都現代美術館のYouTubeチャンネルから
オラファー・エリアソン講演会
「アートをエコロジーの視点で見直すこと」
Olafur Eliasson - Art and Ecological Awareness (2019)
オラファー・エリアソン ときに川は橋となる(展示風景)
"Olafur Eliasson: Sometimes the river is the bridge" [Installation view]
ただ「観る」だけでなく、
世界の問題を「考える」 ことに時間を使って欲しい
そんな想いが込められた展覧会だと思いました。
こちらは、東京都現代美術館の前庭。
今年の梅雨は長かったのですが
この日は、梅雨の合間の青空をバックに、
オブジェがパワフルに存在していました。
私は現代美術が好きです。
大きな作品を見ることで、
自分の常識を超えられるから。
作家の問題提起で、
社会の課題に気づくことができるから。
気が詰まる毎日だな、
新しい視点が必要だな、
と思った時、私は美術館にいくようにしています。
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