守山菜穂子 | Mint Days

ブランドコンサルタント 守山菜穂子のブログです。

ブランド要素を自社インテリアに活かせ!

御社のオフィスのインテリア、どうなっていますか?

  • 会社の事業に関係ないけれど、キレイな風景の写真を飾っている
  • モネの睡蓮とか、アンディ・ウォーホルなど、
    名画のポスターを貼っている
  • 雑貨屋で購入した、適当なおしゃれっぽい絵を飾っている

こういう会社、多いと思います。
気を使っていることは、一応伝わって来ます。

もしくは、こういうパターンもあります。

  • 何も飾っていない、まっ白の壁
  • 取引先からもらった、社名入りのカレンダーが定位置にある
  • 総務からの注意書きが、いろいろベタベタ貼ってある

 

あとは、歴史がある会社ですと、こんな方向性も。

  • 創業者の顔写真や、胸像がデーンと置いてある
  • 創業当時に作った「創業の理念」の文字が、古い額装で飾ってある
  • 昔の工場や、本社ビルなどの写真が飾ってある
  • 過去にいただいた表彰状が額装して飾ってある

以前からそうなっていたので、
なんとなくそのままで、特に手を加えていなかった
という場合が多いですよね。

 

日本企業は、ブランド要素を自社のインテリア(内装)に
取り入れることが、正直かなり下手だなあと思います。

ブランド要素とは、自社の社名、ロゴマーク、色(ブランドカラー)、
タグライン(ブランドのメッセージ)、キャラクターなど
自社のブランドを表現する最小限の要素のこと。

 

私は、グラフィック(印刷物)と、WEBについては
かなり世界標準になって来ていると思うので、
日本企業は、これからぜひ、インテリアを強化していただきたい!
と考えています。

この記事では、ブランドコンサルタントが街で見つけた
インテリアを活用したブランドの強化方法を
ご紹介したいと思います。

以下は店舗ですが、素敵な事例をいくつかスナップしてきました。
オフィスでも充分に活用できる内容です。

(店舗で許可をいただいて撮影しました)

 

事例1 ケンタッキーフライドチキン銀座INZ店

maps.app.goo.gl

 

東京・銀座ではありますが、
こちらは高速道路の高架下にある、小さなケンタッキーのお店です。

入り口は、お馴染みのロゴと、ブランドカラー(赤色)を全面に出した
見慣れた看板です。

ところが中のインテリアが、新鮮でよかった。

 

座席の様子。
シンプルなテーブルと椅子ですが、
ブランドカラーの赤と、サブカラーの黒を効果的に
配置しています。

 

壁には、自社ブランド:ケンタッキーフライドチキンを
モチーフとしたアートが並べられていました!
これは素敵ですね。

 

左から、

  • 創業者カーネル・サンダースの言葉とシルエット
  • アメリカのケンタッキー州にある1号店「サンダース・カフェ」の
    スケッチイラスト(アメリカンで可愛い!)
  • 「サンダース・カフェ」に掲げられた旧ロゴマーク看板の
    スケッチイラスト
  • カーネル・サンダースの肖像画、イラストアレンジ

 

別の壁には、
カーネル・サンダース(Harland David Sanders)の言葉と
サインが大きく飾られています。

No amount of money would keep me from giving the best
there was in me.

どんなにお金があっても、自分の中にあるベストを尽くす
という翻訳になるようで、
40歳で店を作り、世界中に広げ、90歳まで精力的に世界中で活動した
サンダース大佐の生き様がよく現れていました。

 

店内と通路を仕切る壁には、
お馴染みのイラストが大きく描かれています。

ケンタッキーフライドチキンは、
赤、白のブランドカラーを活用しているイメージがありますが
この店舗では黒と、木目をアクセントカラーとして
上手に活用しています。

www.kfc.co.jp

 

ミュージアム、というほどではありませんが
例え小さな店舗であっても
自社のブランドの資産を上手に使っている設計でした!

創業者の言葉をデザインして、大きく飾るとか
ブランドカラーを取り入れた家具は、
オフィスでもすぐに真似できそうです。

 

事例2 ドトールコーヒーショップ青山店

maps.app.goo.gl

 

こちらは東京・青山にある、大きなビルの1階にある旗艦店です。
天井が高い!

店舗に入ったところは、一見、いつものドトールなのですが…

店舗正面の「間仕切り」がすごいです。
ブランドのロゴが、ドーン!

後ろが透けているので、店内の混雑具合もひと目で分かりつつ、
ブランドの主張もある、
クールなデザインだなあと思いました。

 

天井には、こんな大きなドトールのマークが!
高い天井を生かしていて、圧迫感はありません。
ロゴタイプ部分には照明も組み込まれています。

 

内扉は、黒ベースに黄色と白のブランドカラーで
ロゴをはっきりと。

ん? 左右の白壁のテクスチャーは、なんだ……?

 

なんと! おなじみのドトールのコーヒーカップが
めちゃくちゃたくさん並んでいます!

 

うわあ〜、壮観!!

ドトールの、このコーヒーカップは
シンプルで目立たない印象がありますでしょうか。

実はこの会社のオリジナル設計で、
さまざまな工夫がされている
ブランドのシンボル的な存在です。

 

ドトールは、仕事の前や合間にちょっと立ち寄って飲み
サッと立ち去るというのがお客様の基本導線で、
それに合わせて全てが設計されているそう。

例えば、カップの口あたりや持ち手は、薄手で、非常になめらか。
引っかかりにくいようにデザインされています。

またソーサー(受け皿)にカップをサッと乗せたときにも、
グラつきや、カタカタ音がしない工夫がされています。

コーヒーに載せるスプーンも、ソーサーとカップの間で
ガチャガチャ鳴らないよう設計されているとか。

 

なお、ここに写真がないのですが
ドトールのテイクアウト用のコップは、熱を通さない「シボシボ」がついた
オリジナルカップ。
これを世界で初めて開発したのも、ドトールだそうです。

熱くないようにスリーブ(紙の腰巻き)をつけるコーヒーショップも多い中、
無駄な梱包資材や、コストを発生させないよう徹底的にこだわるのも
ドトールのすごいところです。

自社の大切なブランド要素である「パッケージ」を
壁に並べて内装にしているのは、とてもいいなあと思いました。

 

壁には、ブランドのロゴタイプを一文字ずつアートにした
作品が飾られていました。

「DOTOR」のロゴは、コーヒー豆がモチーフ。
2つ目の「O」の文字は、ちょっと飛び出してイキイキとしています。

www.doutor.co.jp

 

だから、一般的なコーヒー豆の写真なんて
飾る必要がないというわけ。
自社のブランドの文字を飾るだけで、
コーヒー豆を表現していることになります。

ちなみに、ドトールさんはブラジルに自社農園も
持っているので、その写真なども
別の店にはよく飾られています。

 

商品をめちゃくちゃたくさん並べてみるとか
ブランドのロゴをアート作品にして額装するなどのアイデアは
どんなオフィスでも真似できそうです。

 

ブランド要素をインテリアに活かす方法のまとめ:

  • 自社のロゴマーク、タグライン、キャラクターなどを
    オフィスに大きく飾る(アート風にアレンジするのも素敵)
  • 自社のブランドカラーを、家具や内装に大きく取り入れる
  • 創業者の言葉や、ポートレートを現代的にアレンジして表現する
  • 自社商品を、アートになるレベルまでたくさん並べる
  • 自社の工場や、産地などの写真を大きく伸ばして飾る

 

社員に向けたインターナルブランディングにも有効な
ブランド要素のインテリアへの導入、
ぜひお試しください!

 

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