みんなに教えたいけど、
本当は教えたくない……。
私が日頃、仕事や人付き合いをするにあたり
めちゃくちゃ頼りにしている
2冊の本をご紹介します。
これね、本当に私の愛読本、
というかビジネスの常備薬なのですが
ご紹介してしまうと、
日々の私のメールや、お手紙での、言葉遣いの
完全な種明かしになってしまうんです。
しかし、私も44歳になりまして、
ふと、若い人の言葉遣いなど気になるときもありまして。
ですので、手の内でも明かしてみるかと。
ブログに書いてしまう次第です。えいっ!
1冊目。
「できる大人の、モノの言い方大全(たいぜん)」
「大全(たいぜん)」とは。
1 十分に備わり欠けるところがないこと。完備すること。
2 その物事に関する事項を漏れなく集成・編集した書物。-デジタル大辞泉より
要するに、完全に網羅(もうら)したよという意味ですね。
サイズはB6版ながら、厚さ3cmもある、
結構みっちりとした本です。
この本のいいところは、まず、このインデックス。
あいさつする
あいづちをうつ・話題を振る
お願いする
質問する
断る
謝る
感謝する・感激する
いたわる・慰める
誘う
訪問する
ほめる
祝う・見舞う
いたむ
贈る
人脈をつくる
説明する、相談る、同意する
反論する、文句を言う
持ち上げる
電話する
議論する
という、20のシーンに対して、
適切な言葉のバリエーションがたくさん載っています。
例えば、
「贈る」の項目。
贈り物を渡すとき使いたい、便利なフレーズ。
「感謝の気持ちです」
「ほんのお礼の気持ちです」
「どうぞお納めください」
「お好きだと伺ったので」
「私どもの土地の名産でして」
……あら上品!
大人って、こういう言葉をサラッと使える人ですよねえ。
お手土産に、ちょこっと、こんなメモをつけたり、
面会して、手渡ししながら
丁寧に言えたら、すごく素敵です。
例えば、
「断る」の項目。
仕事やご依頼を断りたいとき。
「けっこうなお話ではありますが」
「お汲み取りください」
「ご容赦いただけませんでしょうか」
「なにとぞ、あしからずご了承ください」
「ほかのことでしたら、考えられますが」
「時期が時期だけに難しいと思いますよ」
「誠に不本意ではございますが」
断る言葉だけで、51ものバリエーションが掲載されています。
えーー!
角を立てずに、相手を断る言葉って
こんなにバリエーションがあるんだ〜。
私が一番、衝撃を受けた項目です。
苦手なお仕事、
スケジュールや予算が残念ながら合わない仕事。
なるべく適切な断り方をしたい。
でも、相手に心象が悪くならないように。
そんな時に使えること、この上なしです。
この本は、私は
「断る」「謝る」とか
「いたむ」「反論する、文句を言う」のような
ビジネス上、難しいシーンで
取り出し、手にして、考えながら
メールなどしていることが多いように思います。
辞書的な使い方をしています。
●「できる大人のモノの言い方大全」
話題の達人倶楽部・編 青春出版社・刊
なお、著書の「話題の達人倶楽部」が何なのかは
ちょっとナゾです。
Amazonには
「カジュアルな話題から高尚なジャンルまで、
あらゆる分野の情報を網羅し、
常に話題の中心を追いかける柔軟思考型プロ集団」
と書いてありますが、
余計にナゾ。
たぶんライターさん・編集者さんの集団だと思われます。
名前を出せない理由がある、編集プロダクションかな。
そして、なんと「LEBEL 2」も
出ているではありませんか!
●「できる大人のモノの言い方大全 LEVEL2」
話題の達人倶楽部・編 青春出版社・刊
さて、2冊目。
「声に出して読みたい日本語」で有名な
齋藤孝(さいとう・たかし)さんの著書
「大人の語彙(ごい)力ノート」
齋藤孝さんの本は、どれも軽快で、ちょっと毒舌で
テンション高くて、
それでいて日本語は美しくて、読みやすい。
私、実は大好きなんです。大ファンです。
いつかお会いしたいなあ。
さて、この本の面白いところは
言いづらいシーンの言い換えバリエーション。
例えば、ある企画が「中止になりました」。
これは言いづらいですね……!
ヤバい。そして、周囲に迷惑かけてる感が
ありありです。
そんなとき!
「お蔵入(くら-い)りになりました」
「ご破算(はさん)になりました」
「お釈迦(しゃか)になりました」
「棒に振りました」
「水の泡です」
ああ〜、
なんだか、まあ仕方ないな、
諸行無常(しょぎょうむじょう)だな
儚(はかな)いな。
そんな気がしてくる言い回しです。
そうか。
大人ってこうやって、
起きてしまったことをケムに巻いているんだな。
また、
何か、許せないことが起きた時。
そのままにしておけない!
納得できない。
要するにムカついたときです。ムカーーー!
「看過(かんか)できません」、
「黙認(もくにん)できません」、
「勘弁(かんべん)なりません」。
そして
「潔(いさぎよ)しとしない」!
「甘んじるわけにはいかない」!
こんな言い回しができたら、それだけで
正義感の強い人として、
周囲から尊敬されてしまいそうです。
ちょっと笑える項目は、こちら。
「なるほど」の言い換え。
「おっしゃる通りです」
「確かにそうですね」
「まさしく、おっしゃる通り!」
「いかにも、その通りです」
「○○さんのお話はごもっともです」
ブログを読んでいる、そこのあなた。
「なるほど」しか相槌(あいづち)のバリエーションがなくて
会話が弾まず、困っていませんか?
「なるほど」も、こんな風に言い換えることで
会話を弾ませることができるんですね。
手帳にメモして、
上から順番に読み上げるだけで
商談成立、間違いなしですよ。
こちらの本は、
読みものとしても普通に面白いし、
基本的な語彙(ごい)を増やしたい方の
ファーストブックにぴったりです。
就活中の学生さんや、新入社員、
サービス業、営業職についたばかりの方などにも
オススメします。
プレゼントにもいいですね。
●誰からも「できる! 」と思われる 大人の語彙力ノート
齋藤 孝・著 SBクリエイティブ・刊
紙の本はこちら
Kindleばんはこちら
この2冊、
本当に重宝(ちょうほう)しています。
美しい言葉を選んで使う人は
すなわち、美しい思考でものごとを考えているひと。
私の考える「美しい」とは、
視点が高く、遠くまで見渡しており
周囲との調和が取れており、
無駄がない姿です。
そんな言葉を、
今、この瞬間から使いたいと考えています。
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